期初計画は経営者の「意志」を込める 予実管理tips#2

DIGGLEアンバサダーの青木です。
さて、今回は10カ条の1番目、期初計画は経営者の「意志」を込める、についてです。

予実管理の目的に立ち返る

前回、予実管理の目的は大きく3つある、とお伝えしました。その中で、一番重要な目的が、計画の達成です。予実管理は計画を達成するために行うもの。ということはつまり、そのもとになる計画が非常に重要になることは言うまでもありません。

よく、”計画が絵に描いた餅になる”ということがありますが、計画が形骸化してしまう一番の原因に、本当にその計画を実現したいのか?という問題が潜んでいることがあるのです。
とりあえず利益が出るような絵を描く、説明がしやすい数字を作る、ということで計画を立ててしまっては、どんなに予実管理をしてもうまくいきません。ですから、計画に経営者の「意志」を込めることが重要なのです。

計画に意志を込めるとは

計画に「意志」を込めるというのは、まさしく実現したいビジョンや世界観を数値にして落とし込む、ということです。

・今期の売上はこれぐらいを目指したい
・今期は絶対にこの広告宣伝費は減らしたくない
・従業員に賞与をこれだけ払ってあげたい

上記のような、経営者の意志をしっかりと数値に落とし込んでいくことが重要です。
何よりも、TOPが達成したい計画でなければ、いくら予実を管理しても、何の意味もありません。ですから、まずは、今期どこまでいくのか、そこにワクワクするか、ということを数値に落とし込むことが大事です。

「エイヤー型」か、「理詰め型」か?

では実際にどのように意志を込めていくのか?意志を込めて計画を策定していく方法には、大きく2つあると思います。

想い重視の「エイヤー型」

一つ目は、トップダウンで、今期1憶行きたい!という想いのままに決めていくパターンです。創業間もない企業などでよくみられるものです。特にロジックはないけど、この売上を達成したらワクワクする、という想いをもとに、まさに、エイヤー!で決めていく。これを私は「エイヤー型」の目標設計と呼んでいます。

エイヤー型の目標設計のよいところは、目標にワクワク感があるところです。たいていエイヤー型の組織は、経営者がビジョナリーで想いを持っていてリーダーシップが強いことが多いです。ですから実現できたら、本当に素敵だろうなぁとその目標に期待感があります。また同時に経営者が一番の営業マンであることも多いですから、掲げればできる!というポジティブなメッセージを発信できます。

ただ、エイヤー型の弊害もあります。どうしても想いが先行してしまい、根拠のない目標になってしまうところです。また理想を追うため目標が高くなり過ぎてしまうこともあります。

現場が、それでも着いてきてくれるような場合は問題ありません。ただ、高い目標でかつリアリティがないと、実現できるイメージがわかず、意志を込めても現場が実行できない可能性もあります。

ですからエイヤー型の場合は、目指したい目標と現場とのすり合わせが非常に重要になります。ここは、現場主体というよりは、経営サイドからの歩み寄りがまずは重要です。そのために経営合宿など、経営陣と現場のトップで合宿をするなどは効果的です。
どこまでストレッチさせるべきか、ストレッチをどこまで受け入れてもらえるか、丁寧なコミュニケーションが必要になります。

ロジック重視の「理詰め型」

一方でこの対極になるのが、「理詰め型」です。

理詰め型は、その名の通り、論理的に成長率やKPIを基に積み上げで目標を決めていくパターンです。データ・ドリブンな経営が徹底されている組織や、ベンチャーなどでも創業5年以上経過していて、ある程度数値の予測が立てられる状態の組織でよく用いられる手法です。

理詰め型の目標設計の良いところは、極めて現実的に計画が立てられるところです。過去の実績などを基に緻密に計算して出していくので、現場から乖離があることも少なく、実現可能性の高い堅実な目標を設計することができます。また各論まで数値化されていることも多いため、マネジメントにも活かせます。

ただ、もちろん理詰め型の弊害もあります。まずは非連続な成長の絵を描きにくいところです。理詰めで考えると、飛躍的な拡大の根拠となるロジックを組み立てられない、という状態に陥りやすく、目標をストレッチさせることが難しくなります。
また結果として夢のない目標になり、社員のモチベーションを上げづらくなる場合もあります。

ですから理詰め型の場合は、未来を描くことがとても重要になります、今の延長線上にどんなビジョンがあるのか。経営者が自ら語り目標に対するストーリーを作り上げることが大事になります。戦略共有の場にもこだわり、1つのイベントのように盛り上げることも有効な方法です。

トップダウンとボトムアップを掛け合わせることが重要

エイヤー型も、理詰め型も一長一短です。ですから、見通しが立てにくい中、エイヤーで作る部分と、理詰め型で着実に積み上げる部分と、両方を組み合わせることが大事だと思います。よく、クールヘッド、ウォームハートと言いますが、まさに「計画に意思を込める」とは、この言葉が最も的確に言い表していると思います。

トップダウンとボトムアップを掛け合わせながら、組織が一体となって進めていける計画を描くことこそ、予実管理にとって最も重要な要素であることをぜひ覚えておいてくださいね!

著者プロフィール

株式会社Loveable 代表取締役 青木想
2007年3月 慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、同年4月に株式会社リクルート(現リクルートマーケティングパートナーズ)に入社。計数管理、事業戦略立案から法務、総務業務、サイト設計など、リクルートの企画職を9年間経験。その後2016年6月から外資系金融機関の営業職へ転職。初年度新人コンベンションで1387人中3位、女性営業マン1位を獲得。MDRTに該当。2018年2月に株式会社Loveableを設立。主にミドル〜レイターステージのベンチャーの1→100を支援する経営企画として、収支管理、KPIマネジメントから業務フロー改善、営業組織の型化などのサービスを展開。