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【良い予実管理とは】#6 予実管理は、事業別?機能別?新規事業はどう扱う?

この記事は、経営企画に造詣の深い、元DMM.comの経営企画で現在はフリーランスの井上伸也さんとの予実管理に関する対談シリーズです。

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予実管理は、商品軸?部門軸?

青木:実際にKPIを管理して、週次でモニタリングをしていく時に、機能軸と部門軸で2軸取るというお話があったのですが、このあたりについて詳しく教えてください。

井上:商品軸でつくるか、部門軸で作るかは、組織と商品によります。基本的には事業部ごとに作るのがよいと思います。

ただ、会社によっては営業や開発、マーケティングなど、機能ごとに部署があって、事業を横断して担当している場合もあり、そういう場合は2軸で見たほうがわかりやすいかもしれません。

青木:もし、組織と予算に齟齬がある場合は、組織改革まで視野に入れる必要はありますか?

井上:そうですね。最終的に機能軸で管理したほうがわかりやすいんですよね。規模が拡大することを前提とした場合、事業単位で見ていくと、新規事業が立ち上がった時にYonYでの比較が難しくなる

そういう時は、機能軸というもう一つの指標があると、すごく便利です。

青木:なるほど!

井上:また、A事業は消費者向け事業(営業と開発とマーケとサポート)、B事業がB向け事業(営業と事業開発)、Cが新規事業立ち上げ(開発だけ)とした場合、事業部から見る1軸だと誰が利益に貢献しているのか見えないですよね。
そういう時も2軸あると便利です。

山本:ちなみに予算も2軸で作っていたんですか?すごく大変そうですが……。

井上:複雑な事業の場合は予算も2軸あった方がいいかもしれませんが、必要ない会社さんの方が多いかもしれません。

青木:お客さまの話を聞いていると、実はマトリックス系の組織で新規事業に取り組んでらっしゃる会社さん、最近多いんですよ。新規事業の一部だけマトリックスになっているなど、組織が複雑だな~と感じることがあります。

新規事業の予実管理はどう取り扱う?

青木:ベンチャーだと、上場期N-2で必要に迫られて予実管理をやる人が多いですが、それ以前でも管理しておいた方がいい予実管理の最低限のレベルってどこだと思いますか?

井上:実は、僕は新規事業は週次で予実管理しない方がいいと思っています。新規事業っていつ結果が出るかわからないものだし、投資分の予算を預かったら、月次で何にいくら使ったかを事後報告する程度でいいのではないかと。

逆に立ち上がりからガチガチに予実管理をしてしまうと、本当に力を注ぐべき開発の部分に力を入れることができなくなってしまいますよね。

ただ、管理会計の観点は忘れてはいけないです。なんでもかんでもお金を使えばいいというものではなくて、決められた範囲内で予算を切り盛りするのが大事です。

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